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バイカル下鴨本店の歩み

 

バイカル下鴨本店は、創業の地として約70年、京都・下鴨地域の遷り変わりと共に歩んでまいりました。
そんな店舗の歩みを、写真で振り返ってみたいと思います。

 

 

下鴨本店
下鴨本店

創業期

バイカルは、1955年、京都下鴨で創業いたしました。
当時の日本にはフランス菓子店はありましたが、まだ洋菓子黎明期のため、フランスで修業した職人も少なく、またクリームやバターも植物性のものを使っているなど、本物のフランス菓子は殆どありませんでした。

創業者は、「本物の材料を使って本物のフランス菓子を作りたい」と渡仏し、修行を重ね技術を習得。食生活の近代化、洋風化を見据え、「良いものを良心的に」をモットーに現在の本店がある下鴨に小さな洋菓子店を開きました。
 
以降、何度も欧州へ渡り、本場の技術や流行をいち早く取り入れながら、フレッシュクリームやフレッシュバター等の素材にこだわり、また、京都でもいち早く冷蔵ショーケースを取り入れケーキを販売するなど、高品質なお菓子のある生活を提案するお店として好評を得ました。

これら2枚の写真は1968年ごろに撮影されたものです。
下鴨本店
下鴨本店
下鴨本店

1977年 下鴨本店の大規模リニューアル

高度経済成長期と共に店舗・工房を拡充させ、1977年当時、6店舗を運営するまでになりました。

高級洋菓子店としての地位を確立する中、本店のリニューアルを決意し、約2か月半の期間を経て緑の瓦屋根とアーチ型の窓を持つ、西洋風の店舗にリニューアルいたしました。

以降、現在に至るまで、下鴨エリアのシンボルとして、その意匠が永く親しまれることとなりました。

これら3枚の写真は1977年10月1日 リニューアルオープンの際に撮影されたものです。沢山の方がつめかけ、リニューアル記念商品「ランゲット」が好評を博しました。
下鴨本店
京都には当時、日本初の市街路面電車(通称市電)が走っており、バイカルの店舗の前にも停車場がありました。

1977年9月30日、店舗東側を通っていた河原町線が廃線に。翌年9月30日をもって、全線廃線となりました。
バイカルのリニューアルと時を同じくして、市電廃線となり、店舗前の風景も様変わりしました。

 

2000年代初頭

ミレニアムに沸き立ち、21世紀を迎えた2001年7月。より地域に密着した店舗へとリニューアルするため、店内にオープンキッチンを構え、店舗屋外からも製造風景が見えるようになりました。

お子様が製造風景を楽しそうにのぞき込む姿や、通学途中に手を振って挨拶してくれる日常を大切にし、下鴨地域と共にあり続けたい。そんな想いも込めて、店名も「洛北店」という広範囲な地域ではなく、町名を冠して地域性・親近感を表現した「下鴨本店」へと変わりました。

そして2023年 これから

2023年9月、この建替えを前に下鴨工房へ車が突っ込む事故が発生しました。

予想を超えた出来事に、社内も戸惑い、また、ほぼ決まりかけていた新店舗の設計も、本当にこのままで大丈夫なのか、と再度設計士と共に検証を重ねました。

新店のテーマは「新しい京都・下鴨のランドマーク」
建築物に制約の多い京都の街並みになじみ、また下鴨の地域を優しく照らす店舗となればと、約10か月の建設期間を経て、2024年秋にリフレッシュオープンいたします。

長い間、皆様にご利用いただき、下鴨の地で共に歩んできた店舗は、2024年1月8日(月)までの営業となり、取り壊し、建て替え工事に入ります。
様々な想い出が詰まった下鴨本店をより多くの方の記憶に残していただけると幸いでございます。
 
お店でも把握できていない歴史もございます。ぜひ、昔話をお聞かせください。ご来店、お待ちしております。